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通例、在庫管理のためには、販売や仕入、受発注や生産など、いろんなデータを引っぱってきて、ひとつの場所で「がっちゃんこ」して、足したり引いたり、そういう面倒な苦労が伴うものです。 はじめから一元管理のエムウェブなら、その苦労をなしにできるんです。販売も仕入も、受発注も生産も、もともと同じところにあるからですね。

在庫管理のはじめに

前置き──よくある勘ちがい

在庫数(どの品目がいくつあるか)
しっかり把握することが課題となっている中小零細で、
ちゃんと在庫管理ができている会社は実に少ないと思われます。
みなさんの想像以上に
在庫管理には多くのカベがあるんですね。
そのカベが越せないから
会社が成長しないんじゃないかと言ってもいいくらい。
脅かすわけじゃないんですけど、
ちゅうとはんぱな心構えでスタートして、
あっというまに挫折する事例をたくさん見聞きしてきました。
これから在庫管理をしっかりやろうとお考えなら、
それ相応の覚悟がいるということを
はじめに
肝に銘じておいていただきたいと思います。
ところでそもそも
在庫管理とは何を意味するか?
っていうところの
すりあわせはできてましたでしょうか?
もし、
わたしが指している在庫管理の意味と、
あなたがイメージする在庫管理がちがっていたら、
ハナっから話がかみあいませんので、
ちょっとだけ確かめといてください。
在庫管理がちゃんとできてないからこそ、
在庫管理をちゃんとやろうとするわけですが、
在庫管理がちゃんとできてないのは、
在庫管理そのものに原因があるのではありません。
在庫管理をちゃんとしようと思ったら、
在庫管理以外の基幹系業務がちゃんとできていることが前提となります。
なんべんも在庫管理って単語を連発しましたけど、
わたしが何を言いたいか、
伝わりましたでしょうか?
販売管理や仕入管理、
受発注管理や生産管理といった
関連の基幹系管理がすべてうまくまわっていてはじめて
在庫管理のスタートラインに立つことができるわけです。
在庫管理ができてない原因は、
仕入の管理ができてないからかもしれません。
毎日の商品仕入数がちゃんと把握されていなければ、
在庫の計算などできるわけがないのです。
ここから先は、
在庫管理以外の販売、仕入、受発注、生産といった、
周辺の基幹系処理がうまくいっているという前提で話を進めますが、
数が合わない!
ってときのご参考までに。
どこから手をつけたらいいの?

エムウェブでは、
在庫管理のスタートは、
管理の対象となる品目をチョイスすることからはじまります。
それがわたしのオススメの手順。
在庫の計算をする品目を決める
ってことですね。
さっきも言いましたが、
どこでもやってるようなことなんですけど、
実は在庫管理はとても高度な課題です。
ある一時期に集中して、
全品目いっせいに在庫計算をスタートするというような手法では、
失敗する確率ばかりが高くなると思われます。
だからまずはステップバイステップで、
特定の品目をいくつか選び、
的を絞って在庫計算をスタートするのがよいでしょう。
エムウェブ9の在庫管理は、
どの品目からでも、
いつからでも
(月末からでなくても)スタートすることができます。
この特長を生かして、
少ない品目で要領をつかんでから、
ほかの多くの品目に対象を広げるのがよいでしょう。
対象品目の選び方としては、
もっとも在庫管理の効果の出やすい、
つまり、
やりがいのある品目のほうがいいでしょう。
利益に貢献している品目とか、
単価の高い品目とかです。
在庫数を合わせる必要性が高く、
すなわちモチベーションが持続する品目です。
しかしだからといって、
出入りの動きが激しすぎると、
はじめからつまずく確率も高くなってしまうので、
そのへんも総合的に勘案してください。
棚卸しを行う

在庫計算の対象品目が絞れたら、
その品目の現在の在庫数を数えます。
あしたから在庫計算をスタートしたいなら、
きょうの取引が終わった時点での在庫数がきょうの在庫数です。
(お昼に数えても、
午後の取引でその品物が動いていれば、
はじめから数は合いません。)
好きなときからはじめられるといっても、
棚卸しはあくまで一日の終わりで数える
ということ。
あしたの日付で納品書を出す商品を、
倉庫から持ち出したなら、
そのぶんの個数は今日の在庫に含めなければなりません。
きょうから始めたいなら、
きのうの終わりの時点での在庫数がわかっていなければなりません。
Aという品目のきょうの在庫数が100コなら、
これが在庫計算における「起点」となります。
棚卸しの結果からすべてがスタートする

しっかり覚えてください。
つまり、
将来の理論在庫 =(現在の)実際在庫+(これからの)仕入
   -(これからの)売上+(これからの)生産-(これからの)消費

であり、
また、
将来の過不足=実際在庫+仕入-売上+生産-消費
          +発注-受注+生産予定-消費予定

という式で
あらわされることになります。
棚卸しの結果としての実際在庫がわからなければ、
そこから先の在庫も計算のしようがありません。
ですから、
はじめに起こすアクションは
棚卸し
なのです。
棚卸し結果の入力

棚卸しが終われば、
システムに棚卸しの結果を入力します。
とりあえず、
棚卸し日付と実際在庫の数量は最低限必要です。
手順は──
  1. 品名マスターの「在庫管理区分」を0以外に設定します。
  2. 在庫情報の入力ウインドウが開きます。
  3. 棚卸し日付と、実際在庫の数を入力します。
  4. 適正在庫の上限や下限、発注単位がわかるなら、なるべくそれも入力します。

──以上です。
在庫管理区分ですが、
業種によって在庫増減のもとになるデータが異なりますので、
以下の1~5の値をセットしていただきます。
もっとも一般的に
売上(在庫減)と仕入(在庫増)で在庫管理する場合‥‥1
製造業の完成品で、
売上(在庫減)と生産(在庫増)で在庫管理する場合‥‥2
同じく製造業の材料で、
消費(在庫減)と仕入(在庫増)で在庫管理する場合‥‥3
生産工程のみで在庫管理する‥‥4
店舗別・部門別に在庫管理する‥‥5

在庫区分を設定して、
棚卸し結果がセットされますと、
在庫の計算がスタートします。
といっても、
計算するのはシステムですから、
見かけ上はなにも変化していません。
ウラでこそこそやっているのだと思ってください。
日常の在庫の管理

在庫計算がいったんスタートすると、
あとはいかにその正確さをキープするかということが課題となります。
システムはただ、
入力されたデータを正直に足したり引いたりするだけなので、
もしまちがいが発生したらすべて「人為ミス」 だと思ってください。
システムが示す「理論在庫」
棚卸しの結果として得られる「実際在庫」を頻繁に照合してください。
食いちがいに気がつけば、ただちに原因を調べ、
データを修正することが肝心です。
「過不足」は照合することができません。
「理論在庫」「実際在庫」のズレがなくなってはじめて
「過不足」を信頼することができるようになります。
そこのところは現場作業員の問題意識に期待するしかありません。
メニュー体系とおもな業務

在庫管理という業務のたいへんさに反して、
エムウェブ9のメニューはいたってシンプルです。
  • いまの在庫チェック
  • 在庫情報の表示・修正
  • 在庫リセット

──たったこれだけですから。
システムの目的が、
在庫の過不足に関する情報をリアルタイムに提供する
という目的に特化しているためですね。
「いまの在庫チェック」は文字どおり、
いま現在の理論在庫をワンタッチでお手軽に一覧表示します。
それに対して「在庫情報の表示・修正」のほうは、
日付を指定することで、
過去のある時点において
在庫がいくつあったかを知ることができます。
いずれも、
一覧から品目をひとつ選ぶと、
その品目についての詳しい在庫推移表を表示させることができます。
いつ増えて、いつ減ったか、
もっともスピーディにチェックできる表です。
在庫に関するメニューの構造はシンプルですが、
受発注データの入力中に在庫の確認ができる
といった機能が有効になります。
播磨王の在庫管理メニューとは、
在庫管理をスタートするための下ごしらえをするところなので、
実務上のメリットは、
おもに他の基幹系管理メニュー、
特に受発注業務の段階で発揮されるものだといえます。
在庫が残り少なくなってきたときには、
自動的に発注データを生成したりするオプションもあります。
けっこう気がきくんですね(≡^∇^≡)

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