もっとも美しい「一元化と共有」のための雲

みなさんインターネットっていうものはご存じですね。

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いや、

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説明はできなくてもかまわないのですけどね、

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そう、

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インターなネットのことです。

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食べるものではありませんが食べるものも手に入ります。

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この底知れぬネットというものがこの世にあらわれてから、

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いろんなものが変わりましたよね。

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王の国の中でも、

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悪知恵だけはよくはたらく家臣たちが

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いくつもの反乱を企てました。

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ですが王さまは、

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この

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インターなネットがこの世に生まれるずっと前から王さまなのです。

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この類の覇権争いは見飽きておられましょう。

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王さまが雲をおつくりになったとき、

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さあ‥‥あれは、

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もうかれこれ１２０年くらいまえになりましょうか、

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それはまだただの雲であり、

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「クラウド」などという言い方はありませんでした。

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ＡＳＰとかＳａａＳと呼ばれるようになったのでさえ、

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ずっとあとの話と記憶しています。

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ＡＳＰ／ＳaaＳ
(Application Service Provider /
Software as a Service)
アプリケーション・ソフトを、インターネットなどの広域ネットワークを通じて、複数の企業向けに賃貸（レンタル）形式でこれを利用させること、あるいは、そうしたサービスを提供するビジネスモデルを指す。

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王さまが王さまであるよりはるか昔から、

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はりまのくにははりまのくにでしたが‥‥。

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はりまのくに。

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美しい国。

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この美しい国の美しい空に

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美しい雲が浮かぶ。

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＞この雲は民のしあわせのためにのみ使いたまえ。

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それが神の意志であります。

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いまや万国の民は、

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このインターなネットを介して

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われらがはりまのくにと広範な通商を行っています。

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光の速さで、

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民は富と自由を手に入れました。

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たいした元手もかけずにそれが実現した。

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どんなときでも「まとまった額の金」が必要になることはありません。

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美しい雲の恩恵を皆が感じはじめています。

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＞中小零細の民からまとまった額の金を徴収してはならない。

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──それがこの国の王の定めた掟だったからです。

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わたしはそこに、

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王の慈愛を感じずにはいらせません。

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これで皆がしあわせになれるのです。

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逆臣たちの中には、

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九死に一生を得た者もおりますが、

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ひとり残らず西へ逃げたと聞いています。

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何が賢者の選択か、

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しばしここで立ち止まり、

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よく考えてみるべきときが来たように思えます。

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なぜなら、

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あなたの国のあらゆる富はもはや‥‥

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いや、

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失礼しました。

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そろそろやめにしましょう。

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ついカッとなって、

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むずかしく語りすぎたようです。

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あなたたちも、

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肩が凝ったでしょう。

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ほんとうは経営の効率化など、

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してもしなくてもよいのかもしれません。

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経営するとは、

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ただそれだけですばらしいことですから。

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大勢でよってたかって、

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ひとつのことに夢中になり、

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遠まわりを楽しむ余裕も大切なのかもしれません。

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効率化を選ぶのも選ばないのも

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けっきょくはみなさん自身の自由な意思決定でしょうから。

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それもまた、

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王の意志です。

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最後にひとつだけ、

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下界ではもうすっかり死語になってしまったようので、

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忘れていただいてもいっこうにかまわないのですが、

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ＢＰＲとかＢＰＭとかいう略語、

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王さまは好んでよく使っていました。

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逆賊どもが失敗ばかりくりかえすので、

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すっかりイメージが悪くなってしまいましたが、

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本来はとても大切な着想なんだそうです。

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よく感謝して自愛されますように。

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