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クラウド播磨王
> 王さまの悦楽
クラウドERPを完成させるにあたり、ひとつの技術的なカベとなったのがブラウザからの帳票出力でした。 何年間もベストな解決策を求めて探し歩きました。賛否はありましょうが、いまは「PXDoc」というユーティリティに落ちついています。 将来性のある強力なフリーウエアです。他にもツールはあるかもしれませんが、ここで足が止まりました。
王さまの悦楽 ちかごろ王さまが、
すこぶるご機嫌になられたことがひとつある。
下界では
「タイムカード」
と呼んでいるそうなんですが、
しくみはいたって素朴、
会社に来たとき、
あるいは帰るとき、
またあるいは休憩するときなどに、
いつものブラウザでクリックをすると、
その時刻が
サーバ
ってところに記録される。
ただそれだけ。
こんな単純なしくみで皆が喜んでくれたということに、
王さまはとても意外なご様子で、
痛く感激されたのです。
働きはじめた時刻と働き終えた時刻を記録しておいて、
あとで賃金を計算する。
それが簡単に、
あっというまに終わるようにしてあるんです。
王さま自身、
じゃまくさいことは好きではありませんからね。
そこにパソコンというものがあって、
せっかくネットにつながっているのですし、
昨今ではスマートフォンというものもあるじゃないですか。
だったらクリックしましょうよ。
それで王さまの機嫌がよくなるんですから。
天下太平。
すばらしいじゃないですか。
ああ、
それからもうひとつ、
王さまがすごくお喜びになられることがあります。
それは、
納品書を出すこと
です。
いやいやなにも、
特別な納品書じゃありません。
みなさんの会社でふだん毎日のように出されている、
その納品書です。
わかります?
雲の中から納品書を
ね、
出してあげると王さまは大喜びされるんです。
便利な世の中になって、
ウェブブラウザというもので
あらゆる情報が扱える世の中になってきましたよね。
20世紀の終わり、
1996年ごろから急速に広まりました。
起爆剤となったのは、
「ウインドウズ95」
の発売でしたね。
ローリングストーンズ
Start Me Up
の勢いとともに、
ネットサーフィンと呼ばれる暇つぶし法が
庶民のあいだに猛烈なスピードで広まっていきました。
そのとき王さまは、
実は少し悲しんでおられたのです。
>もはや王の出る幕はないのかもしれぬ‥‥。
>ついに自分の時代は終わるのか。
と。
ところがあにはからんや、
どうも
日本国の伝票なるものはブラウザでは扱いにくい
という噂が王さまの耳に届きました。
連続帳票となるとなおさら厄介らしい、
と。
王さまはとても気の毒がられました。
>これほどインターネットが広まっているというのに、
>ブラウザでは伝票が出せないとな。
>それでは中小の民は戸惑うであろう。
>中小零細の間接部門は納品書との戦いだと聞く。
>来る日も来る日も納品書、請求書、
>納品書、請求書、納品書‥‥
>そしてそこで請求したお金の回収に
>神経を尖らす日々だというではないか。
むろんわたしは、
現実をもっと正確に説明しようと試みました。
ブラウザで出せないものは、
納品書
や
請求書
にかぎった話ではございませんと。
製造指示書
や
出荷明細書
や
給与明細
や
検品票
、
小売店舗にいたっては
レシート
や
領収書
など、
いわゆる出力帳票と呼ばれているものは数限りなくあるんですと。
王さまは激しく動揺され、
少しお怒りのご様子でした。
いったい、
リッチアプリケーションなどと呼ばれていたものとは、
なんだったんでしょう。
王さまはすぐさま、
近郷近在より腕っこきの職人たちを呼び集められ、
日本一すばらしい印刷ユーティリティ
の開発に着手するよう命じられました。
そこから、
ブラウザから大量の帳票出力が実現するようになるまで、
さほど日数はかかりませんでした。
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